絶滅

「ついに、長い間栄え続けてきた生物が、絶滅を迎えようとしています…」
夕方の、大して視聴率の高くないニュース番組で、アナウンサーの男が喋っていた。
「はるか昔に誕生した種ではありますが、環境の変化に耐えられず、着実に数を減らしてきました…。
ここ数年は特にその数が減少していましたが、今日がおそらく山場となりそうです。
あ、病状が悪化してきたようです…。もはや気力との勝負です」
男は悲しげな声を上げ、熱心にニュースを読み上げた。
スタジオ全体にも、悲しげな雰囲気が漂っていた。
やがて、男が再び声を上げた。
「残念ながら、やはり自然の力には科学は及びませんでした。とうとう…」
ことばを言い終わらずに、男は倒れ、絶命した。それを助け起こすものも、またテレビを通して見ているものも、いなかった。


BACK TOP NEXT
inserted by FC2 system