オオカミ少年

「オオカミが来たぞ」
ある村外れの家から、少年が村に向かって叫んでいた。少年は毎日を
平凡な仕事でつぶして生活していて、本当はオオカミなど来ていないのだが、
退屈しのぎのために、このような嘘を度々ついていた。
少年がそう叫び、村の人は逃げ回るか、あるいは武器を持って少年のところへ
駆けつけ、そしてその話が嘘だと知る。こういった日々がずいぶん続いていた。
その日も、少年は叫んでいた。しかし、今度は嘘ではない。本当にオオカミが村を襲いに
やってきたのだ。
しかし、予想に反して今回はだれもやってこないどころか、慌てて家から飛び出す者もいない。
そのために少年は少しうろたえ、そしてオオカミに捕まって食われてしまった。
少年は知らなかったのだ。村人たちは、毎日をオオカミにおびえながら暮らす生活に音を上げ、全員が村を出てしまっていたことを…。


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