願い事

F氏は古道具屋で、「魔法のランプ」なるものを買ってきた。
まさかそんなものがあるはずもないし、あったとしても古道具屋に捨てられるはずがないのだが、
珍しいものが好きなF氏は、冗談のつもりでそれを買ってきたのだ。
それをこすってみると、果たしてというのか、煙が昇ってきて、
それが晴れると、そこには太った体つきの、魔神と呼べる人が立っていた。
「願い事を、聞いてやろう」
F氏は早速、願い事を言った。
「大金をください」
「美しい女性をください」
「上手い食事をください」
「高級な車も…」
魔神はうなずき、それらは全て叶えられた。F氏がそれらに手を伸ばそうとすると、
「待て、それらは全部わしのものじゃ」
「なぜです、私の願いを叶えてくれるのではないのですか」
「そんな上手い話があるわけなかろう。わしの出したものはわしのものじゃ」
そう言いながら魔神は、今出したものを全て持って、ランプの中へと戻っていった。
かくして魔神は、最高級の生活を続けている。


BACK TOP NEXT
inserted by FC2 system